プロバガンダの一方通行な報道
人は戦争が起こった時、正義と悪という形を作ろうとする。
ロシアがウクライナに軍事侵攻してから六カ月が過ぎた。当初はメディアも盛んに状況を伝えていたが、安倍元首相殺害事件などの大きな事件により、徐々に報道が減って来ている。そして最近では旧統一教会と政治の接点の事ばかりが目立っている。もちろん、今でも毎日ウクライナ情勢が報道されているのだが……しかし、そんな報道を見て日本の国民はどう思っているのだろうか? おそらく多くの人が「ロシアは侵略をした、とんでもない国だ」そう思っているだろう。しかし、なぜロシアがそのような行動に出たのか? その経緯を知っている人は少ない。そして報道を見ていると、ロシアが悪いという報道が過多のように思える。昔から「喧嘩両成敗」という言葉がある。もちろん先に手を出した方がいけないと言われているが、手を上げた経緯も知る事は重要である。その経緯を理解しなければ戦争は終わらないし、最悪の結果を招く事態にもなりかねない。
ウクライナの大統領がメディアの前で、世界に軍事支援を呼びかける。その姿に共感し同情する者も多いだろう。しかし、ウクライナ側から見た報道ばかりで、ロシア側、あるいは親ロシア側からの報道はあまりない。このような、プロバガンダ的一方通行の報道を検証する必要もあるのではないか。
誰のための戦争継続なのか?
国の主要人物が出席する国際会議で、ロシアが出席すると退席する欧米諸国や日本……これを見て怒りさえ覚えてしまう。私は決してロシアの侵攻を擁護しているのではない。ただ、このような行動を見ると、本当に戦争を終わらせようとしているのか? と疑問に思ってしまうからだ。つまり言い方を変えれば、ロシアと話し合いをする気がなく、戦争を続けるという発想のように思えてしまうからである。
世界に軍事支援を呼びかけるゼレンスキー大統領、戦争には参加せずに武器だけを提供する欧米諸国。これを見ていると世界を巻き込み世界大戦にしようとするゼレンスキー大統領、ウクライナを煽り軍事産業に潤いを求めるアメリカという構図にしか見えない。
ここで黒幕というべきはアメリカである。そして忘れてはならないのが大東亜戦争だ。アメリカは先制攻撃をした日本が悪でありアメリカは正義という方向で戦争を進めた。もちろん日本が真珠湾先制攻撃をした事は事実だ。しかし、なぜ日本がそのような行動に出たのかという事には触れられない。アメリカによる経済制裁を受け、仕方なく戦争に突入した事実があった事を忘れてはならない。そしてここで考えなければならないのは「戦争犯罪」というものが存在するという事だ。どんな理由があろうと、先制攻撃をしたのは日本であるという事は事実であるが、しかし「戦争犯罪」という観点から見ると話は違ってくる。真珠湾攻撃は軍艦や軍事施設を狙ったものである。もちろん攻撃に巻き込まれた民間人もいるだろうが、それは戦争の過程で巻き込まれた事になる。しかし、アメリカはどうだろうか? 東京大空襲、広島・長崎への原子爆弾の投下など、多くの民間人を無差別で殺害している。これは明らかに戦争犯罪である。その後もベトナム戦争やイラク戦争、様々な国への軍事介入……ここで多くの罪のない人たちの命を奪ってきた。
戦争を続ける事の危険性
ここで忘れてはならないのは、ロシアを含め、アメリカやEUの多くの国が核保有国である。戦争を継続するという事が、すでに世界中の人々を巻き込み、危険と背中合わせにしているという事を認識しなくてはならない。戦争は、一国民を巻き込み、今この瞬間も罪のない人々が死んでいくというのが現実である。それを継続するという事が悪であり罪である事に気づくべきである。
ロシアという大国を相手に、本当に戦争を終わらせたいのなら、関係している全ての国の首脳が話し合いのテーブルに付く事が最重要なのである。
最後にアメリカの金魚の糞のようになっている日本……この国が主権を失っている事に日本国民は気づくべきである。
【月刊レコンキスタ令和四年九月号掲載】