昨年一〇月七日、午後二時から東京地方裁判所(千代田区霞ヶ関)において「種子法廃止違憲確認訴訟」の最終弁論となる第八回口頭弁論が一〇三号法廷で開かれた。
午後一時に約二〇〇名の支援者が参加した正門前集会は、あいにくの豪雨のため早々に切り上げられ傍聴券抽選所で開廷を待った。抽選に外れた約半数の支援者は、三時半から予定されている報告集会に参加するため永田町の衆議院第一議員会館大会議室に向かった。
報告集会では弁護団の共同代表を務める山田正彦元農林水産大臣はじめ田井勝、岩月浩二両弁護士らにより法廷の模様、および、今後の活動予定などが伝えられた。
裁判の判決は、令和五年三月二四日午後三時に言い渡されることが決定、その内容が注目される。
奪い去られる種子の権利
弊会が種子法廃止に反対する理由は、戦後の食糧難などを背景に制定された「主要農作物種子法(種子法)」が三年半前に廃止されたことにより、農家の経営状況悪化をもたらし国内農業への大きな影響が懸念されること。また、種の安全性、食の安全、食糧自給といった食の安全保障として、我が国の防衛に繋がる問題と考えているからに他ならない。
具体的には、種子法廃止により多国籍グローバル企業が効率的に開発した種子が国内市場を席巻し農業支配が着々と進められる。結果、地域風土に適した多様な種子の生産ができなくなることなどが挙げられる。すでに、国内に三〇〇品種あるイネの維持も困難な状況となっている。
また、種の原種が四〜五倍、種の価格は二〜三割増に高騰している実情は、農家の存続に直接関わる問題となっている。
二月から始まったロシア・ウクライナの紛争の影響もあり、世界的な食糧不足を前に、さらなる国内食糧自給率の低下を食い止めるべく、早急かつ、実質的な対応と安定的な農業政策が求められる。