──「反ヘイトは同意だが、アメリカのクルド介入には断固闘う」と祖国党党首

 5月27日、一水会とトルコの愛国政党祖国党との間でオンライン会談が行われ、木村代表とペリンチェキ党首が両国の直面している課題や世界情勢について意見交換を行った。

 一水会の創立50周年を祝福した祖国党ペリンチェキ党首は「日本の独立のための闘いの成功を祈る。この会談はアジアの両端の親戚同士で行っている。日本とトルコの民族はその根源において血統のつながる民族だ。また日本語とトルコ語も親戚関係にあり、構造が同様である。地理的に遠くても、両国民のハートとブレーンがつながっている」と述べた。

 一水会木村代表は会談実現を祝福して「創立50周年への祝辞に感謝する。記念祝賀会でのスピーチで一水会が50年来繰り広げてきた日本独立のための闘いを語り、台湾問題をはじめとして地域の課題について対米追従を批判した」と述べた。

祖国党ペリンチェキ党首:「トルコはアジアの国である」

 祖国党ペリンチェキ党首はトルコの情勢について詳細に紹介し、次のように述べた。「トルコは非常に重要な決戦と決定の時代に入っている。2014年に我々がスィリヴィリ刑務所の壁を破り、トルコ国軍の大将たちと自分たちを解放してからトルコで新たな時代が始まった。トルコの国家と軍隊が米国の戦略的な駒であるPKK(クルド労働者党)及びFETO(フェトフッラー・テロ組織)の撲滅のために闘いはじめた。これに対する米国の応答は2016年7月の軍事クーデターであったが、軍隊と国民の協力で未遂に終わり、鎮圧された。今やトルコの最も重大な現実は、トルコの刑務所にNATO派の軍人たちが入っていることである。トルコはNATO内の機密組織グラディオを武力で鎮圧できた唯一の国である。グラディオの排除はドイツにできなかった、フランスにできなかった、イギリスにできなかった、イタリアにできなかったが、トルコにはできた。トルコはアジアの国だからだ。」

「米国とイスラエルの地域における第一の目標はクルディスタンの名のもとで第二のイスラエルの国を建立することだ。しかし米国は西アジアで敗北している。ドルの支配も世界規模で崩壊した。」

「この流れにおいてトルコは大西洋体制から離れ、振興するアジア文明のなかで先駆的な戦線に位置する過程に入っている。これは安易な過程ではない。トルコにとって革命によって完成する過程である。日本の民族派、愛国派の仲間に知ってもらいたいが、トルコは近い未来の革命的な解決に向かっている。」

一水会木村代表:「我々は日本のアメリカ化に対抗している」

 木村代表は一水会の闘いの中心に日本の独立を据えていると述べ、次のように述べた。「日本の状況を考えるときに最初に確認しなければならないことは米国の130を超える基地と7000を超える関連拠点の存在である。我々は日本における米国の支配に対抗して昼夜を問わず活動している。」

「米国の原爆投下に象徴される日本支配がはじまってからの80年の過程のなかで日本人の精神世界のアメリカ化が進められ、我々はそれに対して文化的な抵抗を行ってきた。日本は歴史的な過程のなかで経済発展と国民の福祉を確保することを優先してきたが、国家の独立と主権は国民の今後の課題である。」

祖国党ペリンチェキ党首:「黒海からホルムズ海峡まで西アジア諸国は同じ戦線に立つ」

 米国のトルコに対する脅威が重くなってきたことを強調したペリンチェキ党首は次の確認を行った。「米国はトルコに対してギリシャ沿岸で19か所の新しい基地を建設した。これらの基地に多くの戦闘機や戦車や部隊を配置した。同時にシリア北部やイラク北部にも基地がある。これらの基地は必要になったときにクルディスタンを建国し、トルコに軍事介入を行うために建てられた。また、米国はトルコでカラー革命、オレンジ革命のような蜂起を準備し、計画している節がある。従って、トルコは米国に対してロシアと同じ戦線に立ち、また南方のパレスチナやシリアやイラクやイランやその他すべての西アジア諸国と同じ戦線に立っている。この戦線はウクライナや黒海から東地中海に、そこからホルムズ海峡にのびている。この戦線においてトルコとイスラエル及び米国が対峙している。」

一水会木村代表:「東アジアの我々も同じ戦線に立つ」

 一水会木村代表はペリンチェキ党首と多くの課題について共通の認識を持っていることを確認し、「パレスチナ問題について、イスラエルのガザ地区をはじめ展開している軍事行動に反対だ」と述べた。また「カラー革命について同感だ。黒海や地中海や世界のどの地域にも起きうるこの種類の蜂起は結果的に米国支配を強化している。我々は国際情勢について、例えばウクライナの問題についてロシアの立場を尊重しており、中国についても日本との関係強化を呼びかけています。ペリンチェキ党首の指摘された西アジアの戦線について、我々も東アジアで同じ戦線に立っている」と加えた。

祖国党ペリンチェキ党首:「トルコ国民はクルド系住民へのヘイトを認めない」

 一水会木村代表は最近日本在住のクルド系トルコ国籍の移民・難民に対するSNS上の差別の表現や誹謗中傷が広がる傾向にあることに関して祖国党ペリンチェキ党首と意見交換を行った。

 祖国党ペリンチェキ党首は次のように述べた。「我が党の綱領に次のように書いてある:トルコ人もクルド人も我々であり、我々はみんなでトルコ国民である。クルド人は我々にとって他者ではない。従って、日本在住クルド人に対するヘイトの言説は直接的に我々に対するヘイトの言説である。我々とはつまり総じてトルコ国民をターゲットにしたヘイトの言説である。このヘイトをトルコ国民が認めない。」

「昔、トルコに様々な不平等や不満があったが、我が党の闘いとトルコ国民の伝統によって解消してきた。トルコにおいてクルド問題と呼ばれる問題はもはやアメリカ問題であり、イスラエル問題であり、クルド系国民の問題ではない。」

「一水会の皆さんが日本在住のクルド系の我が同胞を守り、彼らに対するヘイトの言説に反対されていることを心より歓迎する。しかし、PKKの武装による分離活動が別物であり、PKKの日本における活動に細心の注意を払うべきである。」