19日から広島で開催されるG7サミットを目前に、岸田文雄首相宛の要望書を作成し、首相補佐官に提出しました。要望書では、昨年から続くウクライナ紛争について、日本が議長国として、対米忖度一本槍ではなく、停戦協議の糸口を探るリーダーシップを発揮すべきことを要望し、口頭でも申し入れました。
本文
岸田文雄内閣総理大臣に対し、謹んで要望申し上げます。
総理、来たるG7の広島サミットにおいて、我が国の平和を尊ぶ姿勢からロシア・ウクライナ双方に即時停戦を呼びかけ、両国の無辜の民がこれ以上犠牲とならないよう、リーダーシップを発揮されることを切に願います。
両国の衝突について、ブラジル、中国などが、すでに公に停戦協議を始めることを模索しています。またフランスやドイツも、表向きは米国に同調しつつも内心では「もうこの紛争を早く終わらせたい」という意向が語られています。台湾問題に対する仏国マクロン大統領の発言など、その節々からも伺えます。
この度、被爆地広島でG7サミットが開催され、日本が議長国を務めることは、岸田総理の念願が実現したものであり、まさにこのタイミングで、我が国がロシア・ウクライナ双方の停戦へ向けたイニシアティブを発揮されれば、わが国の平和国家の姿勢が、国際社会で一段と向上するものと確信致します。
我々は総理に対し、サミットで次の呼びかけを行うよう要望申し上げます。
一 ロシア・ウクライナ両国に、何よりも平和が尊いことをG7各国、オブザーバー国に進言し、即時停戦協議に入るよう発破をかけて頂きたい。
一 欧米諸国に対して、ウクライナへの武器の供与を止めることを提案してもらいたい。
一 ミンスク合意の内容を再度考察し、和平に尽力して頂きたい。
一 我が国の外交上、ロシアとの関係維持は重要課題であり、徒に反ロの風潮を形成せず、今後、プーチン大統領との対話の機会を探り、直接和平の機運を盛り上げて頂きたい。
願わくば総理には、わが国の「和を以って貴しとなす」の精神こそ、天与ともいえるこの好機を、間違っても逃すことのないよう、衷心より期待するものであります。
キーウ(キエフ)訪問によって総理の支持率はたしかに上昇しました。しかし、それが本当に我が国の道義を守り、国益に資することになるのか。表面上の民意に安住することなく、真摯に日本の国家百年の大計針路を考え、国策を誤ることないよう、ここに要望申し上げる次第です。
令和五年五月十五日
一水会代表 木村三浩
日本国内閣総理大臣 岸田文雄 殿